今回は、保育士の退職金について、簡単にまとめていきたいと思います。





退職金という観点から保育業界を振り返ってみても、やはり、保育士の世界は酷い格差社会なんだなということが、いまのあなたにも十分理解してもらえるはずです。

⇨もしかして、ブラック保育施設・・・？





それでは、始めて行きましょう。

この記事の目次 　1.保育士の退職金格差。 　　1-1.そもそも、保育士は退職金を貰えるの？ 　　1-2.保育士の身分格差と退職金格差？ 　　1-3.自浄能力を失った保育業界。 　　1-4.小規模分散保育とバウチャー制度。 　2.保育士の退職金とピグマリオン効果。 　　2-1.雇用主の期待と保育士の退職金。 　　2-2.現場の保育士は、薄給で疲弊している。 　　2-3.保育業界に、ピグマリオン効果は働かない。 　　2-4.自らの利権を死守する、犯罪者集団？ 　　2-5.保育士の退職金問題と、破壊的イノベーション。 　　2-6.現場の保育士は、児童の命を守ろう！ 　3.保育士の退職金相場と計算方法。  　　3-1.公立（公務員）の場合。 　　3-2.私立（公務員以外）の場合。 　4.保育士は、いますぐ退職金を確認！

そもそも、保育士は退職金を貰えるのでしょうか？





周りの人に聞いても、信じられない金額の退職金を貰える保育士もいれば、全く退職金をもらえない保育士がいたりします。





つまり、すべての保育士が退職金を貰えるわけではない、ということですね。

⇨新人保育士が退職するタイミングとは？いつ辞める？回収期間法で計算してみよう！【Payback Period Method】






それもそのはずで、保育士に限らずあらゆる業界において、基本的に退職金を支給する義務は無いからです。





そもそも雇用主側には、労働者に退職金を支給する義務は無いのです。





ただし、退職金を支給する場合は、その内容を就業規則に記載しなければいけません。

※労働基準法第８９条





ですから、あなたが努めている保育施設で、本当に退職金がもらえるかどうか確認したい場合は、園長先生にお願いして就業規則を見せてもらってください。





というよりも、就業規則については、雇用主が労働者に周知徹底する義務がありますから、あなたがこれまで一度も就業規則を見たこともないとすれば、それはそれで、雇用主が労基法違反に問われる可能性があるわけですが^^;

※労働基準法第１０６条

1.使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、第18条第2項、第24条第1項ただし書、第32条の2第1項、第32条の3、第32条の4第1項、第32条の5第1項、第34条第2項ただし書、第36条第1項、第38条の2第2項、第38条の3第1項並びに第39条第5項及び第6項ただし書に規定する協定並びに第38条の4第1項及び第5項に規定する決議を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によって、労働者に周知させなければならない。

2.使用者は、この法律及びこの法律に基いて発する命令のうち、寄宿舎に関する規定及び寄宿舎規則を、寄宿舎の見易い場所に掲示し、又は備え付ける等の方法によって、寄宿舎に寄宿する労働者に周知させなければならない。

このように、もしあなたが本当に退職金を貰えるかどうか、なんとなくモヤモヤとした不安を感じているとしたら、まずはあなたが勤めている保育施設の就業規則を確認して下さい。

⇨保育士1年目で転職するのが怖い？！先行者利益も忘れずに。【First mover's advantage】






いまさらですが、保育士には大きな身分格差、給料・退職金などの格差が存在します。





過去の記事でも何度か触れているように、全く同じ仕事をしていたとしても、ただ公務員の保育士だというだけで、他の保育士に比べて2倍以上の高給を支給されるなど、大きな身分格差が存在します。





社会福祉法人の保育施設であっても、その経営者や要職は全て経営者一族で独占し、税金に寄生する一部の公務員保育士などと同じように、高給を貪っているような悪質な保育施設も存在します。

⇨潜在保育士の人数が右肩上がり！保育園の園長先生の給料は？





その財源の大半が、私達の収めている税金である以上、このような恣意的な経営は許されるべきではありませんし、法的にも業務上横領などに問われるべきです。





全く同じような仕事をしてきたのに、ただ公務員の保育士だというだけで、ただ社会福祉法人の経営者一族だったというだけで、数千万円の退職金を貰えるというのは、やはり異常な世界だと感じます。





その他の保育士は、ほとんど満足な退職金を貰えていませんからね。






このような身分格差は、他の業界でもよく見られる現象ですが、保育業界はとりわけ酷い状況で、自浄能力を失っている感があります。





過去の歴史を振り返ってみても、税金依存が高い組織は、どうしても腐敗しやすい傾向があります。





ですから、公立及び社会福祉法人が経営する保育施設については、その統廃合も含めて、そろそろ抜本的に見直す時期に来ているのではないでしょうか？

⇨保育士の転職が不安？経験曲線でブラック施設を見極めろ！






統廃合によって待機児童などの過不足が生じたら、厚労省が推奨している小規模分散型の保育サービスで賄えば済む話です。





東京都江戸川区が実施している、保育ママ制度などは、長い期間運営されていますので、待機児童問題に悩む他の自治体も、このような小規模分散型の保育サービスを充実させていくべきです。





全国に存在する数十万人の潜在保育士は、腐敗した保育業界に嫌気が差し絶望しています。





しかし、小規模分散型の保育業務であれば、自分たちのライフスタイルや都合に合わせて、比較的自由に働くことができますので、若い世代の潜在保育士が保育業務へ復帰する良いキッカケになるでしょう。

⇨【江戸川区】保育士確保プラン。保育ママはどんな仕事？





無駄に補助金を垂れ流して、公務員の保育士や経営者一族の私腹を肥やしている場合ではありません。





そのような腐敗した放漫経営をしている自治体は、近い将来、住民減少と財政破綻により、現実の世界から永遠に消失することになるのです。





そのような悲惨な結末を避けるためにも、保育児童それぞれに直接バウチャーを交付するなど、保護者の選択の自由度を増し、費用対効果の高い施策を実施しなければいけません。





とはいうものの、保育業界の問題解決にあたっては、政治や利権団体が絡んできますので、保育士の身分格差問題が、一朝一夕に解決することはありえませんが・・・^^;







ピグマリオン効果とは、人は誰かから期待されたとおりに成果を出す傾向があり、その期待が現実になることです。





なぜ保育士に退職金を支給するのかといえば、それは、その保育士に一生懸命働いてもらい、クオリティーの高い保育サービスを提供することを、雇用主が期待しているからです。

⇨保育士一年目で職場に馴染めない、行きたくない！適正は期待理論で比較判断してみよう。【Expectancy theory】






雇用主が充分な報酬を支払い、保育士に期待していることを言い続ければ、ピグマリオン効果によって、その保育士は素晴らしい保育サービスを提供する人物になるはずです。




ところが・・・





現実の姿はどうでしょう？





一般の保育士より2倍以上高い給料を貰い、数千万円の退職金を受け取る公務員の保育士は、果たして、それだけの法外な報酬を貰えるだけの、高いクオリティーの保育サービスを提供しているのでしょうか？





むしろ、ろくにボーナスも退職金も貰えないような一般の保育士が、サービス残業の毎日にも負けず、必死に働き続けて、なんとか現在の保育業界を支えているのが現実の姿なのではないでしょうか？






現場で必死に頑張っている保育士には、まともなボーナスも退職金も支給されていません。





一方で、ただ公務員の保育士だという理由だけで、ただ社会福祉法人の一族に生まれてきたからという理由だけで、ろくな仕事もせず、法外なボーナスと退職金を手にしている現状は、どう考えても異常な世界です。





しかも、その状況は全く改善されることはなく、むしろ自らの利権を死守するために、新規参入を規制したり、若い保育士を使い捨てにしたりと、まさにやりたい放題です。






保育施設の経営者が、いくら保育士に期待してみたところで、このような異常な身分格差が存在する以上、経営者が期待する結果は得られません。





保育業界には、

ピグマリオン効果は働かないのです。





その腐敗した保育業界の体質が原因で、現場の保育士の正しい成長が阻害されているということです。





毎年毎年、安い給料で若い保育士を使い捨てにして、公務員の保育士や経営者一族がその利益を独占しているわけですからね。

⇨保育士の勤務シフトがめちゃくちゃ！レピュテーション・マネジメントを忘れずに！【Reputation Management】






その利益というのは、結局のところ、私達が支払っている税金だという点で、彼らの行動は非常に犯罪的な印象を受けます。





今後も、待機児童問題も含めた保育業界の課題が、保育業界自らの力で解決することはありません。





彼ら・彼女らは、待機児童問題や保育士の待遇改善などは、全く見ていません。





彼ら・彼女らが必死に頑張っていることは、自らの利権を死守することだけです。





そもそも、彼ら・彼女らには、保育業界の問題を解決する意志も能力も、全く存在しないのです。






ですから、もし待機児童問題や保育業界の問題が解決されるとしたら、それはやはり、新規参入者による、破壊的イノベーションがその鍵を握っているのでしょう。

⇨保育士不足問題の解決策は、「破壊的イノベーション」だ！【Disruptive innovation】





それがいつの日になるのか誰にも分かりませんが、比較的近い将来現実化すると、個人的には考えています。






それまでの間、現場の保育士は、園長先生のピグマリオン効果などは全く無視して、大切な目の前の保育児童の生命を守ることと、自分自身の能力開発を最優先にして、一日一日を大切に過ごすべきです。





もしあなたが努めている保育施設が、まともな退職金も無いのに、園長先生がピグマリオン効果を期待して、異常にあなたに期待しすぎているなら、それは、もしかするとブラック保育施設なのかもしれませんよ？





急な休日出勤やサービス残業は当たり前、振替休日も年休も取れず、まともなボーナスも退職金も無い。





このような悲惨な保育施設に勤めているとしたら、あなた自身の能力開発に時間を取ることは、現実的に不可能です。





もしかすると、今後のあなたの人生を左右する、とても大事な時期に来ているのかもしれませんね。

⇨保育士が年度途中で退職。辞める時の挨拶文とメッセージは？帰属理論で未来予測も？！【Attribution theories】






それでは、具体的な保育士の退職金の相場と計算方法について解説していきます。






公立（公務員）の保育士の退職金は、自治体によって大きく異なってきますが、全職種平均の60歳定年退職で、約２,000万円前後となっています。

※平成28年 地方公務員給与実態調査結果





ちなみに、退職金の支給金額が一番多い自治体は札幌市で、約3,955万円でした。





一方、最も退職金の支給金額が少ないのは青森県の六ケ所村で、約216万円でした。





公務員間でも、このような格差問題が存在するんですね。





あなたの住む自治体は、どうでしたでしょうか？





あなたが予想する以上の、法外な退職金を貰っていたでしょうか？





ぜひ確認してみてください。






私立（公務員以外）の場合の退職金は、すでに解説したように、勤務する保育施設の就業規則に定められています。





これは、公立の保育施設に勤めるパートや臨時職員についても、全く同じです。





なお、社会福祉法人の保育施設の場合は、「退職手当共済」に加入しているケースが大半ですが、念のために、就業規則を確認してください。





また、具体的な退職金については、福祉医療機構の試算サイトで確認できます。

※退職手当金計算シミュレーション





「退職手当共済」は、本人の基本給などにもよりますが、概ね10年勤務して約100万円程度というのが、支給相場となっているようです。





私立（公務員以外の保育士）の場合は公立（公務員の保育士）と異なり、60歳定年まで働き続ける保育士が、そもそも珍しいわけですが、それにしても酷いですよね。





10年間、公務員の保育士や経営者一族の犠牲となって、体を壊しながらも違法なサービス残業にも耐え、必死に休日返上で働き続けても、たった100万円の退職金・・・。





一方で、ろくな仕事をしなくても解雇される事もなく、60歳定年まで悠々自適な生活を送り、3,000万円以上の退職金を貰う公務員の保育士や保育施設経営者一族の存在・・・。





この身分格差は、

一体何なんでしょうね？





時代や国が違えば、全国で激しい暴動が起きても、全く不思議ではないと思いますけれど・・・^^;





あなたはどう感じましたか？








いかがでしたでしょうか？





これまで、保育士の身分格差問題についてはそれなりに触れてきましたが、実際に退職金などの現実的な金額を比較してみると、その異常な実態について、いまのあなたにも十分実感できたのではないでしょうか？





税金に寄生する組織は、

必ず腐敗していきます。





しかし、その腐敗も永遠に続くわけではありません。





富の源泉が無限ではない以上、将来のどこかの時点で、必ず限界を迎えてしまうからです。

⇨保護者からのクレームが怖い保育士は、限界利益分析で対応策を検討しよう！





その時期は、もう目の前に来ていると個人的には感じています。





そして、その時には、これまで以上に保育士個人の能力が問われ、その能力や実績によって、保育士の待遇や生涯年収が大きく左右される時代になってしまいます。





それは、これまで税金に寄生し怠惰を貪ってきた一部の公務員や経営者一族にとって、ある意味残酷な現実を突きつけることになるかもしれません。





いずれにしても、あなたがやるべきことは、とにかく、自分自身の能力を磨き続けることです。





無駄なサービス残業や休日出勤で、貴重な自己研鑽の時間を浪費している場合ではないのです。





ぜひ、これまでお伝えしてきた業務改善方法や思考法などを十分活用して、あなたが勤めている保育施設の業務改善を実施して、さらなる自己成長を継続していってください。